親友の父親を記念して
20代も終わりに差し掛かり、ふと昔のことを振り返ると何にも成長してないなとメランコリックな気分になる。
地元札幌では、まぁまぁいろんなジャンルの友達や先輩後輩が多かった方だと思う。
広く深い付き合いをモットーにずいぶんと無駄遣いも多かった。
飲み代だけでいえば、中古の一軒家くらいは買えるんじゃないだろうか。
マンネリな生き方に嫌気がさしたのも事実で、就職した地元ベンチャー企業からチャンスをもらい、単身東京に出てきて早4年。
ある会社と出向契約を結びIT関連の仕事を任せてもらい、デスクを借りている。
持ち前の愛嬌とハッタリと想像力でどんな環境でも、そこそこの結果を出せるのが強みなのだが、いまいち自分の収入につながらないのが悩みの種である。
東京で1人色々な事を悩み、野心を持ち、頭をひねり、時に病む。
そんなさなかにあいつはやってきたのだ。
親友のU
大学卒業のあとは地元企業に勤め、優秀な営業マンで車好き。
昨年、10年付き合った彼女と無事に結婚し、11月には奥さんの妊娠が発覚した。
絵にかいたような幸せな人生を送っている。
こいつとは、15歳同じ学び舎で知り合い。なぜか今でも友達だ。
高校も大学も一緒。一時期はずっと一緒にいた。
それでも真面目な就職よりもリスキーでハイリターンな人生を歩みたかった私と
堅実な彼との生き方は微妙にずれている。
「遊びに来た」というメールをもらったのが、数日前。
ポルシェのオープンに乗って会社まで迎えに来た。
どーでもいいが、外気温4℃。
オープンカーには不向きなコンディションだ。
それでも開けちゃうんだよね。アホだから。
オープンカーは走りながらの開け閉めが基本的には出来ない。
そのまま首都高に乗り、まず25分は開けたまんま。
お台場に到着し、食事後、再度オープンにし大黒パーキング。
スーパーカーのたまり場らしい。
もちろん一台もいない。
そのまま、東京クルージングだといい、六本木→渋谷→新宿→池袋
主要都市すべてで、白い目で見られる遊びだ。
終了が深夜3時、会話の内容が8割下ネタだったがこれも昔と変わらない。
いい父親になれよ。なぜか女の子の名前しか考えていないらしいが。
男の子が生まれて跳馬で「フェラーリ」みたいな名前はやめてくれと
くれぐれも言っといた。
今頃、雪が降りそそぐ地元にもどり人生の転機にまた一歩近づいているんだろう。